2015年9月30日水曜日

株式上場する意味あるの? 後編

株式上場によって調達する資本のコストは年率10%を超えます。
その膨大な資本コスト発生の根源とメカニズムを論考したのが、沖縄の事業再生家で元インベストバンカーの樋口耕太郎さんです。

企業最大の費用は人件費ではありません

また樋口さんは2010年12月にこんなツイートもしています。
上場企業経営者の最大の悩みが、「なぜ上場してしまったのか?」という笑えない話はよくあります。
企業の発展と持続性を保障するのは、「量的」な成長ではなく、「質的」な成長以外にない。上場は前者を実現しようとする試みであり、企業の持続性とは無関係であるどころか、質を伴わない成長は衰退を早める可能性がある。
考えてみれば上場という仕組みはほんとうに不思議だ。仕組みを単純化して考えると、企業は上場によって資金を調達するが、株式市場から資本を調達するのは実質的に上場初日の一回のみ。その後延々と続く上場維持のための努力は、資金調達とはまったく無関係な企業にとってのコストである。
たった一回の、それもただでさえ高コストの資本を調達するために、永遠のコスト、それも莫大な費用を支払い続ける。サラ金利息がとても可愛らしく思える。世の中に株式上場ほど高価なお金は存在しない。サラ金からお金を借りて事業をしようとする経営者はいないのに、なぜ上場したがるのだろう。
上場するということについて、株式市場について、企業金融について。上場を考える企業経営者が是非理解するべきことをまとめたものが、僭越ながら私の「企業金融論(http://p.tl/GcEC)」。宜しければ参照下さい。従業員と顧客にとってより良い経営のために。
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樋口さんの上場企業の金融論は本質を突いていると思います。枝葉の議論は知りません。上場企業の末路は、人口爆発と永遠の国債発行(通貨発行)に依って立つマネー成長期待フィクションの右翼あるいは奴隷の集団に成り果てます。この悲喜劇は、決して陰謀論などではなくて、無邪気な私たち現代人が『不安と期待と善意の壮大な勘違い』で書き続けているに過ぎないというのが私の結論です。

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