2015年9月30日水曜日

株式上場する意味あるの? 前編

サイボウズ副社長の山田さんって正直で面白い方ですね。
資本市場に上場することの意味についての、山田さんの現状認識(諦観や責任感)はめちゃくちゃ正しいと思います。そして、糸井重里事務所の上場についての問答は秀逸です。株券は楽天やアマゾンで売ればいいじゃん。東証要らなくない?って発想も同意。篠田さんは、山田さんの上場企業経営者としての本音をよく聞いた方がいいんじゃないかな。こんな健全な上場企業経営者はそうはいない。たぶん、糸井重里事務所の上場は幸せな結果にはならないだろうなと私は眺めています。

「赤字って本当にいけないことですか?」東京糸井重里事務所 篠田CFO×サイボウズ 山田副社長対談
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m000323.html
上場会社を経営するのは、マネーゲームの中で生きていく覚悟をすることだと思っています。しかし、僕らはマネーゲームのために生きているわけじゃないですからね。 お客様や社員、パートナー企業からは喜んでもらっても、それは何の数値化もされないから、世の中の会計の基準からは評価されず、株主からは何をしているんだ! と言われる。それはちょっとどうなんだろうという思いはあります。
中略
そうなると、サイボウズさんにとって上場している意味はどこにあるのでしょうか?
正直、資金調達という意味ではほとんどないです。ただし、上場してみてからわかったんですが、上場会社が非上場会社に戻るのって難しいんですよ。本気でそうしようと思ったら、200億円調達しないといけませんから。そんなこと、上場する時には誰も教えてくれないんですよね。「上場しましょう。凄いことになりますよ!」と言うばかりで(笑)
中略
まあ、今はまだ"上場していること自体凄い"という言葉の信用力がありますからね。ただ、最近はシステムにより、ほぼタダに近いコストでパブリックにアクセスできるので、そうしたものを使ってお金を調達している非上場企業がたくさんあります。 僕は楽天やAmazonで株を売ってもいいと思っているんですよ。それこそ『ほぼ日』のホームページで売ってもいいですし。東証の言うとおりにしてお墨付きをもらうより、自分たちで責任を持って情報を開示し、審査も行い、ホームページで販売するという形にしたほうがわかりやすいかもしれませんよね。 
もしくは、株券をとにかく細切れにして、株主をとことん増やしてインフラとしてパブリックな会社になるか。どちらかに覚悟を決めないとやりにくいと思います。

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上場会社を経営するのは、マネーゲームの中で生きていく覚悟をすることだと思っています。しかし、僕らはマネーゲームのために生きているわけじゃないですからね。 

山田さんのこの二言には、上場企業経営者の致命的な矛盾と苦悩が詰まっているように思います。

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