科学雑誌ニュートンの今月号のテーマは、
「生命とは何か」
54ページの総力特集です。これを読んで、
科学的に捉えた生命についてまとめておきたくなりました。
生命ってなんでしょうか。
原子で構成されているという点では、生物と無生物に区別はありません。
例えば人と山。拡大していくと、
人 → 心臓 → 細胞 → 原子
山 → 岩 → 鉱物 → 原子
ミミズもカエルも蚊も、植物も、微生物も大腸菌もウイルスも、
石ころや金属と同じく、原子の組み合わせです。
もちろん精子や卵子、DNAも原子の集まり。
つまり、あれもこれも僕らも、
皆これら↓の集まりでしかありません。
元素周期表
ちなみに人間は、
酸素(O)+炭素(C)+水素(H)で、90%以上出来ています。生物が使用する元素は、基本的に自然界にもたくさん存在する珍しくない元素です。
参考サイト 「地球ガイド(JSTバーチャル科学館)地球はどんな物質からできている?」
ちなみに地球は鉄+酸素+ケイ素+マグネシウムで90%以上出来ています。グラフの値はニュートン記事からの引用であり、バーチャル科学館のデータとは若干異なっています。
さらにこれら原子の全ては、
電子、アップクオーク、ダウンクオークでつくられています。
あらゆる物質は、生物も含めて、三種類の粒子の組み合わせです。
あなたの目に見えるこの世界は、あなた自身も含めて、
すべて3種類の粒子です。
この事実に僕は結構おどろきました。
たった三つって。シンプルすぎやしないかって。
大いに好奇心が刺激されます。
この微小な世界について数分で理解を深めるのに有効な、
宇宙―地球―人間―細胞―原子―クオークの、
それぞれのスケール感が直観的に掴める素晴らしいサイトがあります。
参考:The Scale of the Universe 2
紹介記事「次世代の百科事典を連想させる “The Scale of the Universe 2″」
さらに粒子は、
正面衝突すると消滅してエネルギーに変換されるし、
逆にエネルギーの集中は粒子を生成します。
E=MC^2
質量とエネルギーの等価性をあらわすアインシュタインの式です。
形ある物質は、途方もないエネルギーの凝縮であり、
形のないエネルギーの凝縮は、物質を生みます。
参考:「やさしい物理教室(高エネルギー加速器研究機構)」
生物も無生物も、突き詰めればエネルギーの凝縮から出来ている、
というのは共通しています。
・・・ほんと、この世界は摩訶不思議です。
さて、
生物と物質の違いはどう説明できるでしょうか?
バラバラに分解しても同じ粒子なわけですから、
「構成する成分(元素)の違い」として説明することは不可能です。
実は科学においても明確な定義がありません。
科学者の間で確固たる共通見解がないということです。
おそらく「現象」の違い、
あるいは「機能」の違いとして述べるのが良さそうだと僕は思っています。
ちなみにこの問いに対して、最も引用される説明があります。
量子力学の創始者の一人として知られるエルヴィン・シュレーディンガー(1887~1961)は自著『What is life?』でこう述べました。
生命体は負のエントロピーを食べて生きている
・・・意味わかりません笑
エントロピーとは何か。
生物と無生物の違いは、そのように説明されるのは何故か。
そして僕は、これらの科学的な洞察をどのように捉えるのか。
今度書きたいと思います。
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