2013年2月26日火曜日

遥か遠くの地では残酷な日々が続くのに

確定申告の時期ですね。

去年の転職を期に、
今年からは年末調整で済まさず自分でやります。

そこで寄付金控除を申請します。
先日領収証として寄付証明書が届きました。

まぁ金額自体は少ないんですけどね。
3月から毎月1000円ずつ、合計で1万円でしかありません。
ただ大切な思いを込めたお金です。
自分の信念と志をかけて働いて、大切なお客様より頂いたものですから、
心から共感するところへ託したい。

志だけは富士山よりも高かった元金融マンですから、
お金の流れの意味付けには関しては結構シビアです。


援助先はというと、
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)です。
正確には日本における公式支援窓口となっている国連UNHCR協会です。


UNHCRは1950年に国連によって設立。
スイスのジュネーブに本部を置く、難民の保護と支援を目的とする専門機関です。

以下公式サイトによる説明の抜粋

UNHCRの財政
UNHCRの事業は主に政府による任意拠出金、さらに一般市民や団体などから集められた寄附金により成り立っている。また運営管理費の一部として、限定的ではあるが、国連予算より拠出金を受け取っている。
2012年現在で、追加支援事業も含めたUNHCRの年間予算は30億5900万米ドルである。2011年の主要な拠出国はアメリカ合衆国(6億9800万米ドル)、日本(2億2600万米ドル)、欧州委員会(1億3300万米ドル)、イギリス(1億2000万米ドル)、スウェーデン(1億1800万米ドル)となっている。

UNHCRの現在の活動
2012年現在で、UNHCRは125か国に414の事務所を展開し、7685人の職員が勤務している。そのうち86.8%以上の職員は危険地や遠隔地を含む現場で働いている。
人道危機がさらに複雑になるにつれて、UNHCRは国連諸機関や600を超えるNGOを含む様々な機関と協働関係を拡大している。


第8代国連高等弁務官(1990-2000年)を日本人の緒方貞子さんが勤めていました。辞めた後、外務大臣として各方面から期待されていましたが結局なりませんでしたね。政界は嫌だったんでしょう。ちなみに曾祖父は犬養毅だそうで。



毎月寄付していると、活動報告メールと自宅に紙媒体で「With You」というニュースレターが届きます。ただ公式サイトで同じ情報を閲覧できますし、レターもPDFでダウンロード可能なので、国際紛争や難民、世界の貧困の現実に関心を寄せる人だとしても情報面で特別なメリットは一切ありません。

そもそも、僕は寄付を好みません。
寄付ってバランス悪い気がするんですよね。
一方的で持続性がないから。
お金の使われ方の質、使う人のパーソナリティ、
その事業性をきちんと問う必要があるとも考えます。



さて私たちは、
世界の貧困や暴力の惨事を思って一体何ができるでしょうか。


少なくとも寄付(金の提供)は二の次でいいと思う。

マザーテレサはノーベル平和賞を受賞した際のインタビューで、
「世界平和のために私たちは何ができますか?」と聞かれてこう答えました。

「家に帰って家族を愛して下さい」

What can we do to promote world peace?
Go home and love your family. Mother Teresa


家族サービスでディズニーランドに行って、世界平和のためでもあると胸を張っていい。
世界とは自分であり、
その平和とはあなたの心の平和なのだから。

ディズニーランドで入場料払って飲食して、
帽子かぶって一日中遊び回って、
帰りにプーさんの缶に入ったクッキーを友人や職場にお土産として買って、
合計一人頭10000円使ったっていい。
オリエンタルランドのスタッフのサービスレベルは最高です。


それはそれとして。
例えば難民支援の現場で、
その10000円で何ができるでしょうか。

  自然環境が厳しい中で必要不可欠な毛布7家族分・・・3000円
  避難中も子どもたちが勉強できるように教科書10人分・・・5000円
  毛布やビニールシートなどの緊急避難生活セット10家族分・・・10000円
  厳しい生活を続ける人々の食事66日分・・・20000円
  厳しい自然環境の中、家族が身を寄せ合えるテント1張り・・・36000円


もっというと、
25000人が毎日餓死しています。FAO(国連食糧農業機関)より

夢と魔法のエンターテイメントが繰り広げられている同じ世界の空の下で、
そういう現実も同時に起こっている。

と言われても別に罪悪感を感じる必要はありません。
少なくとも僕は感じません。

ただ私たちの住む人間社会がバランスを大きく欠いている、と感じるのは確かです。

この事実を知ってなお、寄付は気が進みません。
第一に、
世界に最も貢献することとは、
まずは自分が置かれた立場から自立することであり、
自分を中心に幸せの実感が広がることだと信じるから。

第二に、
お金というものは人間社会トータルで健全さを保つ存在であるので、
局所的なアプローチは対症療法であり効果がないから。
稼ぎ方、預け方、使い方、その前後左右の循環のあり方のバランスを捉えた科学的アプローチでないと、現実は変えられないと思う。

バランスを欠いた現実の埋め合わせとして、
バランスを欠いた寄付をし続けてもダメ。

個人の人生も国家財政もまったく同じですけどね。


では何故寄付をしようと思ったのかというと、
駅前でブースを構えて一人寄付を募るNPOスタッフの女性の心意気に感動したから。

彼女は僕よりも2歳ほど年下でした。
大学卒業後に食品の商社に勤めたが、
安全な食と世界の難民に対する関心はずっと高くあり、
本当に自分はこのままで良いのかと考える日々が続いたらしい。
最終的に仕事を辞めてUNHCRのNPOスタッフとなることを選んだ。
自分の思いと感じるものを信じて。
そして世界中の難民キャンプの現地に何度も足を運んでいる。

話を聞くほど、純粋な思いで突き動かされていて、
皆に知ってほしいとの願いが伝わってくる。

「救っているようで、私が救われている。」と言う。

僕はというと転職先の二次面接の帰りでした。
食品の販売、卸、レストラン事業、個人宅配といった食に深く携わる会社です。
彼女の経歴と情熱にとても共鳴してしまったんですね。
応援したくなったんです。心から。
世界を良くしたいと思って行動する同じ仲間として。
だから寄付を決めました。

あれから一年。
名前も忘れてしまったけども、今も元気にしているだろうか。


遥か遠くの地では残酷な日々が続くのに こんな僕達
ちっぽけな壁を目の前に立ちすくんでるような
海の向こうの空 赤く染まる頃 こんな僕達
ちっぽけな壁なんざぶちこわして つぎのこと始めよう さあ
Dragon Ash Viva La Revolution より

高校生の頃聞いたドラゴンアッシュ。
あの頃、降谷建志が格好良く見えてしょうがなかった。
難民や飢餓の現実なんてのを思ってこの詩を書いたんだろうな。

ちっぽけなことに捉われて苦しんでるとき、世界に思いを馳せてみるのもいい。
怖れないで、勇気を持って踏み出そう。
一緒に俺らの時代をつくろうぜ。

っていう若者へのメッセージがある。

僕も今同じことを思っている。

あなたと一緒に次世代の社会を担いたい。

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