先日の参院選では、比例代表候補の三宅洋平さんに投票しました。
以前にも言いましたが選挙は人材採用です。
彼を選んだ大きな理由の一つは、
人を裁かないゆるしのリーダーであるからです。
彼の演説動画のリンクです。聞きつつ、読んでみて下さい。
三宅洋平さんの演説
(2013/7/18 選挙フェス@大宮)
―――――――――――――――――――――
甲状腺がんになった福島の子どもが、何万人いれば皆同情するのか?って。
じゃあ、たったの20何人なんですか?って。
名古屋で避難した親子が挨拶に来てくれたんだ、4日前。
お母さんも子どももやつれきってた。
「この子、甲状腺がんなんです」って。
中一ぐらいの男の子 「頑張ってください」
もう一人で充分なんだよ。
一人の子の悲劇は、百万人の悲劇と同等なんだよ。
なんでそれが今の日本の政治にはわからないんだろうね。
見てないんだよ、俺たちのこと。
誰が可哀想かって、
それが見えてないことが可哀想だね、俺は。
だからね、教えに行きたいよ。
「もうこうゆう考えの、こうゆう愛に溢れた文化とセンスに従って生きてる人たちが、こんだけいます。皆、あなたのこと応援したいんで仲間に入れてくれませんか?」って。
俺はだから、国会に行きたい。
15日間、喋って歌い続けても、まだこんだけ声が出るね。
国会の会期150日間、俺はでかい声で、声通し続けるよ。
そしてね。
今まで反原発とか、反戦争みたいに、俺もやってきたことなんだ。
想いをぶつけちゃってたんだよね、石みたいに。
「ふざけるな!」っつって。
だけど今度は、自分が立候補してみたらね。
全部の立候補者に頭が下がるんだ。
選挙って、マジで大変!
心身共に限界に追い込まれるんだね。
ま、だからハマっちゃうんだけど(笑)
俺はだから、ワタミの社長の渡邉美樹さんともガッチリ握手した。
※渡邊さんは原発維持の自民党から立候補
「いやあ 大変ですね。ご苦労様です」
あったかかったぜ、あの人の手。
で、ちっさい声で言ったよ。
「私も、本当は、原発反対なんです」
ちっさい声で、ここだけの話ね。
言ってましたよ。
Ustream観てる皆さん。全世界の皆さん。
ここだけ話、言ってましたよ。
原発に反対してる人は、自民党の中にもいっぱいいます。
十把一絡げに全員討つような真似するのはやめて。
あとはさ、言いたいことが言えなくなっちゃってんだよ。
借金して首が回んないのも、
カネがありすぎて首が回んないのも、同じ!
何万人ってゆう人を、
自分が、支持者が、
従えて、もう彼らの色んな声、生活を支えてて、抱えてて・・・
「今更 反対とか言えねえよ!」
ってゆう状況でもう、ガチガチなんだよ!安倍さんとか。
―――――――――――――――――――――
彼はポジショントークを一切しません。
立場に同化せず、立場の争点に訴えません。
同じ人間として心を理解しようとし、伝えようとします。
そして人の弱さをゆるしています。
ここで先日書いた、ピーターラッセルの言葉を再び引用しますね。
許しとは、自分もまた同じ生い立ちと境遇にいれば、
きっと同じ過ちをしただろうと認めることなのです。
どうでしょうか?
ちなみに、この動画の後半10分くらいからは、民主主義の原点について語られます。
ネイティブ・アメリカンのイロコイ連邦の、部族間の話し合い方です。これは史実です。
その話し合い尽くす姿勢と技術の高さを明解に説明しています。
そして国会は、民主主義の原点である彼らを見習うべきじゃないのか?と問いかけます。
僕が彼を支持した理由の二つ目をあげるなら、
民主主義の本質を理解したリーダーだと考えたからです。
三宅洋平さんの演説 (上で紹介した動画の前にあたります)
(2013/7/18 選挙フェス@大宮)
――――――――――――――――
ファシズムってゆうのは、
国家が皆に押し付ける場合よりも、人々が社会の空気を読んで、
自分の今日の暮らし、
家族の安全、
隣近所2~3件の平穏を守るために、
口をつぐむ。その連鎖が起きていく。
好きにものを言えない空気ができていくことがファシズムだって、
おれは言ってたんだけど、ハベルってゆう大統領も同じこと言ってたらしいんだ。
今日本で起きてるのはさ ”Economic Fascism”(経済ファシズム)だよ!
「経済のためには それ以外の意見は黙ってろ」
「だっておまえ それで食ってんだろ?」
「電気について文句言うなら 電気使うな」
そんな稚拙な論議があるかって話で。
聴衆(ふざけんなー!)
そうなんだよ!
言っていいんだよ、皆もっと大きい声で。「ふざけるな」って。
だけど、俺もいっぱい言ってきた。「ふざけるなー!」って。
国会の前でも、原発の前でも、事故が起きる前から言ってきた。
原発は稼働してるだけで、漏れてんだよね。
再稼働なんか冗談じゃねえよ。
あの頃はさ、これっぽっちのものが漏れてるか漏れてないかで大議論してたんだ。
原発反対してる人と推進の人で。
したら、事故が起きたら、もうこんなのさ、
「いやぁ・・・今こんぐらい出てますけど・・・まぁ、
前からこんぐらいは出てましたから・・・大丈夫ですよ」って。
ちょっと待ってくれよ!って。前は「出てねえ」って言ってたじゃねえか!って。
ベンドの窓もないって言ってたんだよ、電力会社は。
でも俺たちは見に行ったんだよ。ベンドの窓はあるんだよ。
夜中に開いてんだ。それも「ない」って言うんだ。
「いや、ないって、あるじゃないですか」
「いや ありません」
国会まで行って。院内交渉っていってさ、議員さんが場所作ってくれるんだよ。
環境省の官僚、5人ぐらい呼びつけて。話し合いの場。
そこにデータも、色んな巷の科学者たちが、
顔を全部マスクで隠して、命懸けでデータを提出するんだ。
「バグフィルターは99.9%なんて除去できてません」
「60%ぐらいしか取れてません」
ってゆうデータを叩きつけても、
「持ち帰って検討します」
手紙一つ来ないんだよね。全部チャラ。
じゃ、俺に何が出来んのかなぁって思った。
もう立候補しかなかったんだよね。
――――――――――――――――――
一市民として、あらゆる行動をやり尽くした後。
政治・行政への怒りを、自分の弱さに向けた真の強さ。
これまで人生をかけて築き上げたアーティストである自分を、捨てるという覚悟。
彼を支持した理由の三つ目を挙げるとしたら、
自らの真実で献身する気高き強さです。
選挙期間中、彼は言い続けました。
「選挙は戦いじゃないんだよ」
この動画の4分後辺りからは、
「選挙は戦いじゃない」という彼の言葉の心が語られていると思います。
――――――――――――――――――――
俺たちのこと、まだ白い目で見てる人たちに語りかけていこうよ。
絶対ケンカしないでさ。
ケンカってのは、言葉ではしていいけど、
拳とか、あられもない誹謗中傷は、
いくら自分たちがされても、
絶対にそれは返し刀で言葉を返さずに、
ユーモアとトンチ。それからひと呼吸。
どうしても頭にきたらさ。
空見て。景色見て。自分見つめ直して。ふぅーって言ってから、
「でもね」って。
「地球を救いましょうよ」って。
世界から戦争をなくす。脱戦争経済を具体的に考えましょうよ、って。
あなたは僕よりもロジックもあるし、頭がいいのですから、
是非お知恵を貸してくれませんか?って。
俺が教えたいのは、
「世の中はもう変わりましたよ」「時代はもう変わったんですよ」ってことを・・・
色んな事情背負ってきて、プライドも背負ってきて、
たとえば国策で原発を推進してきた背景の中で、
一生懸命それやってきた人たちで「まだ認めらんない!」ってゆう人たちに、
「時代は変わったんですよ!」って、太く強く大きく優しく、教えてあげましょう!
緑の党
は世界に90ヵ国のネットワーク持ってます。
まぁブラジルなんかでは大統領選とかでもいい位置を占めてるらしいし、
ヨーロッパではもう、EUの会議の中でも58議席持ってる一つの会派なんです。
日本でも遂に、すぐろ奈緒さんや長谷川ういこさんたちが・・・
すぐろさん34歳。ういこちゃん31歳。8年ぐらい前からずーっと動いて・・・
俺たち23~4の頃何やってたっけね?
頭が下がりますよ、ホント。
おかげで俺はこうやって一緒に今回選挙に出れたし、
その緑の党のこの蠢きを・・・
緑の党が別に”世界を緑色に染める”んじゃないよ?
ただ、世界に400基ある原発を皆で考えてどうにかする。
今まで戦争や原発で食ってきた人たちの生活のシフトも皆でサポートする。
考えるんだよ、皆で話し合って。
一人の落ちこぼれも出さない 優しい革命だよ。
人類史上初の ソフトでスムーズな滑らかな革命!
それは”革命”ですらないかもしれないよね。
もう起きてると思うし、もう変わったんだよ。
で、世界から戦争をなくすって、俺は言ってきて。
色んなピースソングを聴いてきたけど、
NO WAR! NO WAR!(反戦!反戦!)
でもさ、NO NUKES!(ノー・原子力)って言われると、
やっぱり今まで原発やってきた人たちは傷つくんだよね。
自分を否定されてる気になる。
俺たち、おまえたちのために一生懸命考えて、
危険も顧みずに放射線の高い作業場で仕事してきたのに・・・
事故ったら・・・一回事故ったら・・・手のひら返したように、
NO NUKES! NO NUKES! って、世間中が騒ぎ出した。
たぶん、いじめられてるような気持ちになってる人もいっぱいいると思うんだ。
で、“NO WAR!” ってのはさ。一緒かもしんないよね。
今まで皆のために命張ってきたつもりだったのに、
NO WAR!って言われたら、もしかしたら傷つくかもしんないなって。
俺の友達にも、自衛隊員もいるしさ。
―――――――――――――
ゆるしとは、愛の意思です。
観念への依存を断ち切り、怖れを動機としない境地です。
このブログで何度も書いてきた、人間の真実を重んじる愛のリーダーシップ。
それを彼は、候補者の中でずば抜けて有していると僕は感じました。
(参考:
真実と愛を選択するリーダー、
経済と人間を理解するリーダー、
怖れに向き合う愛のリーダー )
だから僕は彼を支持しました。
選挙とは?
政治とは?
彼はこう言っています。
――――――――――――――――
皆なんだよ、ホントに。
で、これまでの政治は・・・
たとえば俺が国会に行く。あいつは選挙の時にこんなことを公約で掲げてた。
こんなことを云ってた。
「おいおい、全然できてねえじゃねえかよ」
「俺一票入れたんだぞ、おい!」
みたいな。そうやって政治家を孤独にしてきたんだよね。
一票入れるのって、選挙のね、
この期間中はとても大事なこと。
何よりこれが目的なんだけど、
だけど、よく考えて。
この地球をどうにか今しなきゃいけないという状態の中で、
紙にペンで名前書いただけじゃ、地球はどうにも変わんないんだよ。
一票入れたってのは、
紙にペンで一人の名前を書いただけなんだ。
その議員が言ったことをできてなかったら、
俺ができてなかったら、
俺んちとか、俺の事務所まで来て欲しい。暇な日に。
「ヨーヘイ おまえ何か困ってるだろ?」って。
「やりたいようにできてないよな?」
「俺 今時間あるから手伝うよ」って。
そういうスタンスの支持者がどれだけいるかが、
その人の政治力だと思うんだ、俺は。
――――――――――――――――
政治家として、国民に問いかけるというよりも、
彼は人間として、人間に問いかけています。
立場ではなく、自分の真実と信念をもって。
だから、人々を、国民や政治家という言葉に同化させない。
権威や権利や義務・・・そういった政治観念と、人間を同化させない。
あるがままを観ています。
ペンで書いただけじゃないかと言って、
依存心から目を覚まさせようとします。
人間として自立した精神であるかを、堂々と人々の心に問う。
演説に大きな説得力があるのは、彼の動機が、偽りのない愛だからです。
多くの人々が、心の深いところで彼の想いが真実だと感じとったから、17万票も集まった。
西郷隆盛はかつて言いました。
命も要らず、名も要らず、位も要らず、金も要らず、という人こそもっとも扱いにくい人である。
だが、このような人こそ、人生の困難を共にすることのできる人物である。
またこのような人こそ、国家に偉大な貢献をすることのできる人物である。
*************************
僕は今、東京に住んでいます。
自分と妻だけでなく、まだ幼い娘にも放射線の被害はあるかもしれません。
そうなったとき、関東に住む方々に聴いてみたいのですが、
国や東京電力を責めますか。訴えますか?
もしそういう方がいたら、なぜ引っ越さないのですか?
今後そうなったとしても、僕は、原発を推進した人達を「既に」ゆるしています。
「放射線の健康被害が予想できたはずなのに、後遺症が残ったのはお父さんのせいだよ」
大きくなった娘に、そう言われるかもしれません。
「辛い。死にたい」と言われるかもしれません。
そうだとしても、ここに住むと決めたのであれば、その可能性も受け入れなければなりません。
「ごめん。お父さんもお母さんも、その可能性があると知りながらも、関東に住む決断をした。ごめん。」
そう言う他ありません。生涯、恨まれることになろうとも。
そういう選択を、妻と話し合って決めました。
妻は、そんなこと考えたくない、という反応でした。
それでも幾度と伝えた。
この話の意味を、どれだけ理解してもらえたかは分かりません。
僕らは常に選択しています。
引っ越さないというのも、声をあげないというのも、大いなる意思表示です。
無意識であろうと、意識的であろうと、
人々は互いの存在を、互いの生き様を、どうしようもないほど強力に、
分かち合うことしか出来ません。
言動しないのも、そこで生活しているのなら、それを認めているという行動になります。
ペンで候補者の名前を書くよりも、
東京でただ生活をするというのは、極めて強い影響力を及ぼしている社会参加です。
そこで生きる人々の生き様と因果を受け入れます、という無言の意思表明です。
自分という存在は、個体ではいられず、どこまでも全体と繋がっています。
そういう世界観・人生観を持てば、運命を人のせいにはできません。
なぜなら、人のせいにできないことを完全に理解しているからです。
権利やお金の保証やリスク管理を、いかに効率的にしようとしても、
どう権力を通じて策を練ってあがいても、
存在は自立しかできないし、互いを分かち合うことしかできないんです。
本当は、依存など不可能です。
依存が可能だと思うことが、自身を無力にして、怖れを招きます。
不安から逃避する生き方そのものが、依存のための社会幻想を強化してしまうということに、私たちは気付くべきでしょう。
僕は原発を推進してきた人達をゆるします。
それだけではありません。
生産年齢人口が拡大し続ける間しか機能しないだろう、既存の年金システムを放っておいた人達をゆるします。
赤字国債という世代間格差を強烈にする分配システムに依存する人達をゆるします。
彼らと、存在を分かち合うことしかできないのだから。
ゆるすしかできないんです。
それを理解しているからこそ、捨て身になれるし、全なる個を信頼できます。
そして厳しく言わせてもらう。
公共性の高い人達ほど、実名でオープンに働いて下さい。
原発を推進する人達は、実名で、自分の意見を述べ続けて下さい。自身のブログなどで。
安全だと思う理由を、自分の知見と経験を交えながら語って下さい。
政治家と官僚の方々は、公を司る代表として、ずーと残る形で、実名で、自身の言葉で語り続けて下さい。自分の名に恥じぬようにと。
既存の年金システムが、生産年齢人口が減少しても成り立つと信じる根拠を、語ってください。それが出来ないのなら、勇気を以て「一緒に考えて下さい」とオープンに責任を分かち合って下さい。
公務に携わる方々の、実名主義による意見集約システム。
民衆による、実名・ハンドルネーム・匿名によるパブリックコメント・システム。
それを実現したらどうでしょう。
情報と言論を、人格に担保したまま、発信・流通・
精査・
蓄積しつづける社会。
ちなみに・・・その足がかり的なものとして、既に文科省で試みがありました。
「熟議カケアイ」・・・学校・家庭・地域の教育現場の方々の声を集め、「熟議」を通じて教育政策を創り出す、文部科学省公式インターネットサイト。
僕が東京選挙区で投票した候補者は、熟議カケアイを起ち上げた鈴木寛さんです。
彼は民主党ですが政党は全く関係ありません。人物しか観ていません。
鈴木さんには、原則的にオープンで実名主義の意見集約システムの構築を期待しました。その重要性を最も理解した政治家の一人と見受けましたので支持しました。
まとめます。
人をゆるすということの本質は、分かち合う意思です。
責められるべき罪人とそれを裁く者に分離して、
上から目線で罪を許してやることにはありません。
罪というレッテルを張ってしまう人々の観念と心を観察します。
人の弱さを理解して、本来の善良さを信頼します。
善良さを信頼して、自分が自立する選択をします。
他者の不安を取り除くために情熱を注ぎます。
だからこそ誇り高い。
裁かない心ゆえに自由。
ゆるしは優しさからではありません。
どうあがいても私たち人間は、存在と生き様を分かち合うことしかできないという諦めです。
諦めに到達した、分かち合う意思です。
若者たちには、大人(社会)をゆるせと言いたい。
ゆるせないのならば、大人(社会)と向き合えと言いたい。
人をゆるさず。人の心と向き合わず。
それは逃避です。少なくとも僕はそういう生き方をしません。
人をゆるす生き方は、自分の潜在力を開花させます。
自由に解放した心は創造力が豊かです。
喜びに溢れた人生へのもっとも近道、そして平和な社会を築く王道は、
自分の依存心と向き合って、人をゆるすことだと思います。
参考:「
国家を重んじる、人の心を重んじて」 「
今を問う② 選挙と向き合う」